2022年4月の振り返り

早くもこの振り返りに対して「月次作業だ……」と思うようになっている。月末(というか月初)にまとめて書くんじゃなくて、何かあったときに日記を書けばいいんだよな……。

 

 

  • 読んだ本

藤原昌高『からだにおいしい魚の便利帳』

www.takahashishoten.co.jp

毎月の最終金曜日はブックオフで好きなだけ本を漁っていいことにしている。最近ようやくまともに自炊をするようになって、そういえば魚のこと全然知らないな……と思って購入した。レシピ本と図鑑の中間みたいな感じで、写真が多く、旬や産地などが分かってとてもおもしろかった。スーパーの鮮魚コーナーを見るとき、解像度が少し上がった。魚、全然食べてこなかったけどいろいろ食べてみたいな……。とりあえず安売りされた豆あじを買って、しこたま手開きをしてみた。割と楽しい。

 

アゴタ・クリストフ悪童日記Le Grand Cahier, 1986)

結構おもしろかったんだけど、どうおもしろかったのか正直あまり掴めていない……。「ぼくら」の視点であるものの、感情の投影や心理的描写はほぼ描かれず、終始直截で淡々としている。それは「ぼくらの学習」で書かれているように「事実の忠実な描写だけにとどめた」結果だろう。短いストーリーでは、数々の暴力、貧困、性行為、死などが描かれる。各章で起こる陰鬱で悲惨な出来事が、そう感じさせないのはこの文体によるものでもあり、「ぼくら」が強かに生き抜いていく姿とともに描かれるから……だと思うんだけど、やっぱり「おもしろいと思った理由」にはなってないか。何なんだろう……。

 

マーク・トウェインハックルベリー・フィンの冒険Adventures of Huckleberry Finn, 1885)

あまりにも有名かつ児童文学ということで、正直ちょっと舐めてたんだけど、おもしろかった。飲んだくれの父親から逃げる白人のハックと、自由を求める黒人奴隷ジムを相似的に描いている。敬虔なキリスト教徒とはとても言えないハックが(ハックの宗教観の描き方もおもしろい)、それでもジムを自由にすることに対して非常に罪悪感や苦悩を感じていて、それを乗り越えてジムを助ける決意をする、その瞬間がよかった。分かりやすくこの作品の白眉だと思う。今読むとハックの苦悩は理解しがたい部分もあり、アメリカの差別の歴史を感じた。
しかし本作、大学1年生の米文学購読で扱っていたんだけど、講義の内容をまるで覚えていない……。今聞けたら絶対おもしろいのに……と悔やむばかり。

僕はぶるぶる震えていた。永久に、二つのうちどちらかに決めねばならず、どちらにするかわかっていたからだ。僕は息をこらし、ちょっとのあいだ考えてから、こう思った。「よし、それじゃあ僕は地獄へ行こう」

 

はやみねかおる『めんどくさがりなきみのための文章教室』

フォロワーさんと通話で「小説書けるようになりた~い」と言い合って、この本を教えてもらって夜中の3時に買った。「どう書けばいいのかわからないときは、ツイッターに呟くならどうするか考えてみよう」「好きな映画やドラマの「感動ポイント」を探そう」など、「小説を書くため」という点だけでなく、普段上手く書けない小説や映画の感想を言語化するのにも役立ちそう。
しかし、この「書き方本」をおもしろく書けるのも「はやみねかおるの文章力」のなせる技なんだろうな……。ちなみに今日まで小説は一文字も書いていない。

 

  • 観た映画

『ロッキー』Rocky, 1976)

Amazon prime videoで「もうすぐ配信終了」になっていて、有名だけど観たことないな……と思って視聴した。有名すぎて観たことがなかったんだけど、名作と言われるだけあって、よかった。テーマはかなり分かりやすく、「もし最終ラウンドが終わってゴングが鳴るときにリングの上に立っていたら、俺は人生で初めてただのゴロツキじゃないってことを証明できるんだ」に尽きるんだけど、試合を通して人生に打ち勝つ姿には胸を打たれるよ、やっぱり。
好きだったところ。ロッキーとミッキーの和解を遠景で撮っているところ。エイドリアンのたどたどしいスケート。エイドリアンが初めて兄にブチ切れるところ(エイドリアンもまた戦っていたのだと分かる)。最後、駆け寄ってきたエイドリアンへの「帽子は?」(あんな激戦の後によく覚えてるな……)。

 

クリード チャンプを継ぐ男』Creed, 2015)

『ロッキー』を観たのでスピンオフも観よう!ということで鑑賞。『ロッキー』の後だからか余計に洗練されてオシャレに見える……。
ロッキーが「これしか能がないから」ボクサーをやっていたのに対して、アドニスは学校を出てきちんとした仕事もあって、それでもある「証明」のためにボクシングを選ぶ……という姿が印象的だ。アドニスが何を証明したいのか?というのが途中までいまいち分からなかったんだけど、リングでのやりとりはロッキーと共にはっと胸を突かれるような心地があった。ついでに、アドニスからちょいちょい感じる「実家が太いコンプレックス」、分かる~と思った。
そしてアドニスがロッキーを頼るように、愛する者たちを失ったロッキーもまたアドニスを心の拠り所とするようになる、その描かれ方もよかったな~。ボコボコにやられたアドニスを励ますように、「自分も癌と戦い抜く」と言うロッキー、ロッキーよ……。アドニスの物語でありロッキーの物語でもある、というところがスピンオフとしてかなりいい作品だった。

ところで『ロッキー』も『クリード』もいつのまにか「もうすぐ配信終了」がしれっと消えてたんだけど、「やっぱり更新しました」みたいなことがあるのかな?

 

グランド・イリュージョンNow You See Me, 2013)

久々に楽しみ方が分からないタイプの映画だった……。そもそも手品という体験型アトラクションと、いくらでも嘘が撮れる映画という媒体、食い合わせがまったくよくない。だって映画だと何だってできちゃうから……。その中で観客が唯一「騙された!」と体験できるはずのストーリーのオチが「一番吃驚する展開にしようと思ったらまあそうなるわな」という感じで、微塵も新鮮さがない。
かと言って、ホースメンの華麗な活躍だけを呑気に楽しむには、キャラクターや関係性があまり描かれない(捜査官に感情移入させるためにあえて省いてると思われる)ので、ホースメンのチーム感に胸を躍らせることも難しい。そして最後にとってつけたように「イリュージョンの点と点は繋がっていたんだ!」と説明しないでくれ! せめてストーリーの中で紐解かれるくらいの工夫を見せてくれ!

 

『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』Deux, 2019)

これ、ポスターの、切なくも美しいヒューマンドラマ……な空気からは想像できないサスペンス的な(むしろホラー的な?)雰囲気で、観ていてかなりハラハラした。暗い雰囲気含めて自分は割と好きだった。これは語りたいシーンがあるから別で記事書こうと思う。

 

あと『ジョゼと虎と魚たち』を途中まで観て、どうしても気が乗らず視聴を断念した。

 

  • 勉強時間

27時間26分。順調に……減ってる! 言い訳をすると4月は月初も月末も仕事が忙しく、家に帰って無になっていたから……。「言い訳なんぞは良いワケない」ので、5月は平均して1時間/日を目指して頑張りたい。

 

  • 健康

かなり過食の日が何度かあり、ストレスで食べていると感じる。体重は増えたり減ったりして、BMI19.11。筋トレ等をまったくしていないので、首回りなどもともと肉がつきにくい場所ばかり痩せて、下半身はボリュームがある状態。健康的に体を引き締めるには有酸素運動+筋トレにするしかないのか? マジで全然したくねえな……。
平均睡眠時間は5時間31分、歩数は9,720歩。

 

  • そのほかのこと

・4/5:大学時代の後輩とご飯を食べた。卒業して以来会っていなかったので……何年ぶりだろう? 彼は出身地の横浜に対する愛憎があるそうで、いろんな横浜トークをしてくれた。ともかく元気そうでよかった。

・4/9:友人と横浜を散歩する。特に打ち合わせをしたわけでないのに、待ち合わせ場所についたら2人ともデニムワンピースを着ていて、お揃いみたいでよかった。中華街でお昼を食べ、港の見える丘公園臨港パーク山下公園を延々歩いた。山下公園では花壇を展示するイベントがやっていて、犬や花を1ヶ月分くらい見た。夕飯を食べながら、日食なつこの『√-1』が友人の好きな2人のイメージしてつくられた歌ではないか……という話をした。

・4/10:鎌倉と江の島に行く。鎌倉、先月も行ってなかった? ヲガタで小豆山盛りのロールケーキを食べて、鎌倉文学館に行き、自販機で湘南クッキー「潮風と太陽」を買った。

ヲガタのコーヒーとロールケーキ

とりあえず何でもポートレートで撮ってしまう。

そして今回の主目的は、江の島の「玉屋本店」でLegendersのコラボ羊羹を買うこと。

tamaya-honten.stores.jp

初めて食べたのり羊羹、磯の香りと甘さがマッチしていて、普通においしい。というかそもそも、久々に食べると羊羹ってうまいな。雨彦さん→大納言、想楽さん→のり、クリスさん→江の島なのも分かってる感がある。
島はよく晴れていて気持ちよかったけど、人が多くて疲れた。海を見て江の島丼を食べてビール飲んで帰った。

・4/23:元町で食器屋をはしごする。友人松本商店、コーナーズフィールド 陶友花、岩野陶器店などを見て回ったけど、結局何も買わなかった。天気がよくて、モッコウバラが咲いていて美しかった。途中でOtoUで明日の朝食にパンを買った。
喉が渇いたので無でアイスコーヒーを飲んだ。こういうの頼むとき「SNSでバズってそう」とか思ってしまうの、ツイッターに毒されすぎでよくないな。

無のアイスコーヒー

中華街で夜ご飯を食べる。お会計しようとしたとき、2階席で店員が客(身内?)とめちゃくちゃ喧嘩していて、なかなか来なかった。奥からおじさんが出てきて、会計してくれるのかと思ったらスープを飲みながら歩いてて自由すぎて笑ってしまった。

・4/30:ジャック&ベティで『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』を観に行く。ジャック&ベティは初めてだったけど、雰囲気がよかった。上映が終わった後、同じ列に座っていたおじいさんが「よく分からん映画だったな」と隣のおじいさんにかなり通るヒソヒソ声で話していたのがおもしろかった。

 

4月はずっとせわしなかった。5月は仕事がもう少し落ち着いてくれるといいが……。