感想0420

OPPENHEIMER

ムービルの座席のせいなのか、「ノーラン作品ってハマれたことないんだよな……」という先入観のせいなのか、個人的には180分がとても長く感じました。脚本の構成としては『ソーシャル・ネットワーク』に近く、あれほど巧みではないバージョンというか……。個別具体的なシーンがどうというより、感傷的なトーンで説明的な描写がダラダラ続くので、集中力が持続しない。タトロックのあれとか……いるか? エピソードの取捨選択ができてるとは思えませんでしたが、うーん、単純に好みの問題かもしれない。これに限らず、ノーラン作品って「好きな人は好き」なんだろうな。アカデミー監督賞ならいけるかと思ったけど、自分はやっぱりいまいちでした。

美女と野獣

だいぶ久しぶりに観たけど、かなりよかったです。『ダンボ』『リトル・マーメイド』と同日に観たからか、映像の進化に驚いた。昨今のアニメのクオリティから考えて、技術的にいまさら2Dアニメで驚くことはもうないだろうと思ってたけど……1991年? マジか?

こんなんだっけ?😮と序盤から唖然としたんだけど、デジタルリマスターされてるらしいからその映像なのかな。特に印象的だったのはアングルです。序盤の本棚のハシゴの動きからおや?と思ったんだけど、ダンスシーンでの動きのある煽りのカメラアングルなど素晴らしく、かなり目新しく感じました。

今更ながらストーリーもいいですね。ディズニーらしいプリンセスものでありながら、「王子にかけられた魔法を主人公が解く」設定の逆転があり、「大切なのは見た目でなく中身」というテーマが下地にあるので非常にまとまりがいい。ベルと野獣に愛情が芽生えるのもディズニーにしてはかなり説得力がある。*1前後の作品を考えると「(恋愛以外の)一つのテーマを物語全体を通して語る」ことをやり始めたのがこのあたりなのかな?と思います。ガストンも、昔は「いいキャラしてるよね😄」くらいの認識だったんだけど、今観るとちゃんとテーマに沿った悪役というか、むしろ彼がいるからこの作品の言いたいことが分かりやすいまである。

曲、映像、脚本、すべてにおいて大きな欠点がなく、さすがにディズニーのマスターピースの一つですね。ミスタードーナツにおけるポンデリングサーティーワンにおけるポッピングシャワーみたいなオーラがある。ディズニーでも人気の高い作品という認識なんだけど、さもありなんと思いました。

*1:一緒に観てたA氏は「それでも早いと思う」と言っていて、この人『眠れる森の美女』とか観たら吃驚するんじゃないか……と思った。