3月に読んだ本と観た映画

読んだ本

3月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1271
ナイス数:31

夜と霧 新版夜と霧 新版感想
壮絶な収容所生活にやや気後れしながら読んだ。そういう状況にあって「苦悩に値する」高みに到達できるか自信がまったくない。苦悩に直面したときこそ響くんだろうなと思いながら読んだものの、この本の言葉が真に腑に落ちる日がいつか来るんだろうか。 「最期の瞬間までだれも奪うことのできない人間の精神的自由は、彼が最期の息をひきとるまで、その生を意味深いものにした。なぜなら、仕事に真価を発揮できる行動的な生や、安逸な生や、美や芸術や自然をたっぷりと味わう機会に恵まれた生だけに意味があるのではないからだ。」
読了日:03月26日 著者:ヴィクトール・E・フランクル
ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫) (創元推理文庫 F シ 5-2)ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫) (創元推理文庫 F シ 5-2)感想
なかなかすごいものを読んだな……という気持ち。魔術的な世界観で生きるメリキャット、妙に受動的な姉コニー、村の人たちの悪意、垣間見えるブラックウッド家の家庭環境、怖いというより全体を通じて嫌〜な味がある。歪まざるを得なかったメリキャットの視点で描かれるから尚更かも。このエンディング、オタクは好きそう。
読了日:03月16日 著者:シャーリィ ジャクスン
チップス先生、さようなら (新潮文庫)チップス先生、さようなら (新潮文庫)感想
生徒たちや妻、周囲の人々との出会いと別れが、過ぎ去る時代への哀愁を感じさせつつユーモラスに語られている。心温まる作品だ。中年に差し掛かる今、かなり「こんなふうに歳を取りたい…」という気持ちになる。
読了日:03月11日 著者:ジェイムズ ヒルトン
ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)感想
原語のリズムが分からないまま邦訳を読むのはどうなんだろと思いつつ、楽しく読んだ。酒が好きすぎだろ。この世ははかなく過ぎ去るだけ……みたいなことを言ってるのだが、酒のせいでは?
読了日:03月07日 著者:オマル・ハイヤーム
一九八四年〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)一九八四年〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)感想
読もう読もうと思いながら積んでた。中年主人公と若い女性がくっついたとき「は?きっしょ」と思ったけど、それもすべて前振りというか、前向きな予兆では全然なかったね。反全体主義的な話だけどいまの自国にも思い当たる節があり、メッセージも結末へ収束する、好きかどうかはさておき古びない傑作であると思う。
読了日:03月05日 著者:ジョージ オーウェル

読書メーター

観た映画

Poor Things(哀れなるものたち)

Anatomie d'une chute(落下の解剖学)

Willy's Wonderland

FNAFに着想を得た(けどFNAFより先に映画が公開された)と聞いて。シュールなホラー……コメディホラー? アクション映画? ジャンルが謎だけど怖いところはない。

FNAF映画より直接的にグロテスクだけど、ゴア描写がキツいというほどではない。アニマトロニクスはFNAFのほうが本物の味わいがあった。気軽に勧められるB級ホラーって感じだけど、エモーションが揺さぶられたりここはよかった、というところも特になかったので人に勧めることはないかな。むやみに掃除シーンが多いので、家事しながら観るとやる気が出そう。