展覧会をハシゴ

先週の日記。半年ぶりに有給取った*1

北斎バートパーク』@すみだ北斎美術館

プレスで見かけたポスターがえらくかわいかったので。「すみだ北斎美術館」と美術館があることを初めて知った。2016年開館。新しいな〜と思ったが、7年前と思うとそうでもないような。というか北斎(一門)だけで企画展を回せると判断したことがすごい。企画か大変そうだな……。

北斎バートパーク』は、北斎やその弟子が描いた鳥の絵とその種類、絵における役割や鳥にまつわるエピソードなどを紹介する展示で、自分は鳥類にも北斎にもそこまで造詣が深くないんだけど、なかなかおもしろかった。

興味深かったところ。江戸時代の食生活について。江戸時代も鳥は食べられていたそうだが、がんと鴨が6割で、鶏はメジャーではなかったらしい。江戸初期の料理本『料理物語』(著者不明、寛永20年(1643年)刊行)にはこれ以外に鶴や白鳥、きじやはと、さぎなどの料理法が挙げられている。いつ頃から鶏がメインで食べられるようになったんだろう? 鶏や鴨以外の鳥、かなり食べてみたいな……。

北斎たちは日常にいる鳥だけでなく、「こんな舶来物があるよ」「伝説ではこんなのがいるらしい」というレベルの鳥も描いている。印象に残ったのはオオフウチョウ*2ニューギニア島に生息しており、ヨーロッパに剥製を輸送する際に、脚が邪魔なので切り落とした状態で梱包されていたところ、当時の人に「実際に脚がなく、一生飛び続ける鳥なのではないか」と思われたらしい。北斎の絵にも脚がない状態で描かれていた。

鳥の解説だけでなく、演出としても使われていた、というのがよかった。「雄鶏の鳴き声で朝を表す」ように「都鳥*3が描かれているから隅田川」みたいな感じ。こういうことが分かれば芸術鑑賞はより楽しめるだろうな。

あと、鳥にあまり関係ないけど、『画本彩色通』(色はこう塗ろうとか画材はこう使おうみたいなことが描かれた絵手本)『略画早指南』(文字やコンパスを使うと略画が描きやすいという手引書)がおもしろかった。さいとうなおき? こういうものを出す人がいるのも求める人がいるのも変わらないな〜。ついでに、本当にバカの感想なんだが……北斎、絵がめちゃくちゃうまい……。神絵師? モリスのデザインが現在もめっちゃ気軽に使われてるみたいに、古びないオシャレさがあるな〜。

すみだ北斎美術館、こじんまりとしてるがきれいだった。説明文のすべてが英語に対応してなかったこと、エレベーターでしか移動ができないことはやや難点かな。常設展も現物はあまりなかった気がするけど、「北斎とその娘が住んでいた汚部屋の再現」がよかった。

『恐竜博2023』@国立科学博物館

「2023」と銘打たれてるので、毎年やっていたのか?と思ったら2〜4年に1回くらいの頻度で開催されていたっぽい。

行って思ったのは、自分は骨とか化石にロマンを感じているだけで、恐竜に興味があるかというとそうでもねえな……ということ。どの時代にどんな恐竜がいて、どう進化して……みたいなこと、あんまり興味がないかも……。知っていたら格好いいとは思うけど……それを言ったら何でも博識なほうが格好いいからな。

学術名だけでなく、その意味(由来)が説明されていたのはかなりよかった。恐竜そのものというより、それをこんなに追って研究してる人がいるんだな……ということのほうがロマンを感じるかもしれない。

 

*1:有給は取りやすいのだが、引き継ぎやリカバリーが面倒だな……と思って取っていなかった。これから月1で取らないと今年分を消化できない

*2:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/オオフウチョウ

*3:ついでにこれは展示では説明されていなかったと思うけど、都鳥とはミヤコドリ科ミヤコドリのとこでなく、ユリカモメのことらしい。